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ゴールデンスランバーからの考察

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」読了。伊坂幸太郎のすごさを改めて実感した。この「ゴールデンスランバー」、映画化されていたけど、おれは見ていない。コマーシャル見ておもしろそうだなあ。とは思ったけど、結局見なかった。  見なくてよかった。 
たしか「重力ピエロ」も映画化されていたと思うけど、伊坂作品は絶対、圧倒的に小説の方が面白いと思う。映画は見ていないけど、それは断言できる。  ストーリー展開はもちろんすばらしいものだけど、あの特有の文章、言い回し、表現などは、映画では味わえないものだろう。そしてそここそが、伊坂幸太郎の真骨頂だと俺は思っている。  「ゴールデンスランバー」のストーリーは至ってシンプルだ。 首相暗殺犯に仕立て上げられた主人公が、ひたすら逃げまくる。 簡単に言えばこれだけ。 敵は(結局はっきりしなかったけど)とてつもなく巨大で、協力者は昔の仲間だったり、通り魔だったり、自称裏稼業の変なじーさんだったり、数人いるけど、構図としては、国家レベルの組織VS一般人数人って形になり、圧倒的不利な状況の中、とにかく逃げまくる。途中昔のエピソードなんかも入り、それが意外な伏線になっていたりして、ただの逃走劇に終始しているわけではないので、あきることはない。まあ伊坂幸太郎にかぎって、途中であきるなんてことはありえないのだけど。
最後に大きなどんでん返しがあり、最後の数行で心温まり、感動し、なぜか笑いがこみあげてきたところで、The Endって感じだ。まあ~わかりにくいだろうけど、とにかく面白いということは伝わったと思うんだけど、どうだろう…。
それにしても、この国家ぐるみの冤罪事件(とは書いてなかったけど、明らかに…)って本当にあってもおかしくないので怖い。っていうかあるんだろうなって思う。もし巻き込まれでもしたら、はっきりいってなすすべがない。警察はもちろん、マスコミも、民間人も、すべてが敵になる。捕まったら最後、検察も、おそらく裁判所も敵なので、もうおしまいだ。ふつうに生活していて、何も悪い事をしていなくても、突然犯罪者に仕立てられることって、俺はあると思う。
もう本当にスケールの小っちゃい話になっちゃうんだけれども、昔、駅前の自転車預かり所に預けていた自転車を盗まれたことがあった。あーゆうところは何かあっても責任は取ってくれないので、どーしようもないんだけど、一応言ってみたら、そこのおっちゃんが、ずっと置きっぱなしになっている自転車を貸してくれた。俺はなにも考えずにそれを借りてしばらく乗っていたんだけれど、ある日警察に止められて、登録番号を調べられて、それが盗難車であることがわかった。もちろん「知りませんでした」ですむはずもなく、連行された。 でも俺は盗んだわけではないので、事情を話せばすぐ帰れると思って気楽に構えていた。でもこっちの話はまったく信じてもらえなかった。警察の人は真実を聞き出そうとはしていなかった。ただ罪を認めさせようとしていた。本当に腹がたって、俺も相当エキサイトしたけど、結局最後まで信じてくれなかった。じゃあとりあえず(深夜だったので)明日預かり所のおっちゃんの話を聞いてみるってことで、解放された時には5時間くらい経過していた。はじめからそうしてくれって言っていたのに…。警察官は正義の味方ではないんだなって、そのとき思った。警察官もただのサラリーマンだ。日々の業務をただこなしているだけ。もちろんそんな人ばかりではないと思うけど、少なくとも俺の調書をとっていた人は、真実なんかどうでもいいから早く仕事を終わらせたいってのがあからさまに態度や言葉に出ていた。「さっさと罪を認めちゃいなさいよ~」って感じで。そのあと警察からの連絡は一度もなかった。
まあ実際俺は、盗んでないけど、盗難車に乗っていた。というパラドックス的状況にあったわけで、ちょっとややこしい事案ではあったけども、所詮自転車の盗難で、相手も市の警察署だったからまだ緩かったと思う。これがもっと大きな事件で、相手も警視庁とか、もっと大きな力を持つなにがしであったら、もう真実がどうであろうが、何もできないだろうことは、なんとなくわかる。

なにも悪い事はしていないのに、警察官を見ると過剰に反応してしまう人がいるけど、その人はきっと正しい。警察官は悪い人を捕まえる人ではなく、捕まえろと命令された人を捕まえる人だということを、たぶんわかっている。それか、昔悪い事をして捕まったことがある人か…。まあ~でもほとんどが後者だろうな…。

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コメント

私も今読んでます!
分厚くて読みごたえ十分ですね〜私は先に映画見ちゃったんですが、映画は映画の良さがありますよん
重力ピエロ、死神の精度、アヒルと鴨のコインロッカー、ギャング、ラッシュライフは映画も見ました
重力ピエロはオススメします!キャストも良いです

でも基本はやっぱり原作ですね\(^o^)/

投稿: Yう | 2011年1月26日 (水) 10時39分

伊坂幸太郎の小説、
読んだことないので今度買って読んでみます。

投稿: 相沢蒜那 | 2011年1月27日 (木) 17時30分

伊坂幸太郎の小説はパズルみたいに最後にくっつくトコがすごいよね。重力ピエロの本も映画もアヒルとカモのコインロッカー。あと、あれ何だっけ?客船に強盗が入るやつ…思い出したらいうね。伊坂幸太郎て洋楽もすごい好きだよね。

投稿: soyoka | 2011年2月10日 (木) 02時55分

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» 「ゴールデンスラバー」伊坂幸太郎 [人生を豊かにする読書のススメ]
さすが伊坂幸太郎!!夢中になって一気に読んでしまいました。 映画化もされているのですがやはり活字の方が細かい描写がわかり、登場人物が発する言葉が連鎖し、読み終えた後の感動もひとしおです。 読書好きな方もそうではない方もおすすめの本です。 「ゴールデンスラバー」新潮文庫 伊坂 幸太郎 (著) 感想ブログ Enjoylife with T 伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」読了。伊坂幸太郎のすごさを改めて実感した。この「ゴールデンスランバー」・・・(つづきを読む)...... [続きを読む]

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