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旅日記

「海渡りゆけ〜、海渡りゆけ今〜」
ジプシーソングを口ずさみながら、中種子から西之表まで軽快にチャリンコを走らせる。今にも雨が降りそうな空の下、
「旅に出る刻だ〜、旅に出る刻がきた〜」
覚えてるところだけを繰り返し歌いながら、1時間ちょっとでフェリー乗り場に到着。
搭乗手続きを済ませて外を見ると、土砂降りの雨だった。

チャリを押してハイビスカスに乗り込むと、俺のより全然速そうなチャリが1台あった。チャリダーが一人のっているようだ。
鹿児島まで3時間。携帯はほとんどの時間つながっていたので、特に時間を持て余すこともなく到着。到着までの間、すぐ近くで白人金髪ドレッドと英国紳士風がすげ〜でかい声で喋っていて、ちょっとウザかったけど、途中でなにを喋っているのか気になってきて、二人の会話に意識を集中してみた。
結果、「osaka」「tokyo」「tokushima」しか聞き取れず、「なるほど、旅の話をしてるんだな」という結論で落ち着いた。
到着してチャリのところに行くと、もう一台の速そうなチャリのところに金髪ドレッドがいた。「これって話しかけられるパターンじゃね?」と思っていると、案の定話し掛けてきた。
「%♡☆○◆backpack♧▲%♠︎heavy☆?」
ちょっと何言ってるかわからなかったので、「unh…so so」と答えておいた。
さらに「Where do you go?」と言ってきたので「okinawa!」とこれは自信満々で答えたら「okinawa?」と、沖縄を知らない感じだったけど、説明出来そうもなかったので、「so!okinawa!」と勢いで押し切った。そのあと、自分は東京行くみたいな感じのことを言ってきたけど、「ok,good luck!」と切り上げてサッサと出発した。

沖縄行きのフェリー乗り場まで少し距離があったけど、まあまあ時間があったし、車道は怖かったので、歩道をチンタラ走っていると、さっきの金髪ドレッドが「SA↓YO↓NA↑RA→!」と言いながら車道をものすごいスピードで駆け抜けて行った。チャリダーのスピードを目の当たりにして、ちょっとだけ闘志に火がつき、車道にでてスピードを出してみる。やっぱ気持ちいい。でもトラックとかバスとかデカイやつがやたらと怖い!で、歩道にもどる。
そのあとも車道にでたり歩道にもどったりを繰り返しながら、フェリー乗り場に到着。それにしてもあの金髪ドレッド、たぶんイイ奴だったな。やっぱ英語できるようになりたい。

ここからは24時間くらいの船旅だ。出発してしばらくすると携帯も繋がらなくなった。乗客は結構いるけど、団体がほとんどで、自衛隊と、あとは夫婦(カップル)かファミリー。
一人の人は見かけない。まぁ居たとして、基本人見知りなので話し掛けたりはしない。この限られた空間で、一人で、24時間。本買ってくりゃ良かった…と後悔してもあとの祭り。売店で文藝春秋を買う。460ページに字がびっしり。こりゃイイ!と読み始めるも、あまりはかどらない。理由は面白くないから。仕方がないので船内をブラブラする。煙草吸う。外に出て海を眺める。煙草吸う。ロビーのソファでボーっとして、「あれ?この情景、昔夢で見た気がする!デジャヴ?」と思ったところで時間を確認する。3時間しか経っていない。ヤベェ…。
結局他にやることないし眠れないので、ブラブラする、煙草吸う、文藝春秋読む、海を眺める、ってのを繰り返す。で、途中で気付いた。退屈だけどこんな時間の過ごし方も悪くない。
ふだんは週6日仕事して、休みの日は予定を詰め込む。楽しいし、充実してるし、だからと言って時間に追われている訳でもないので、心地いい。
こんな風に時間を持て余すことは、種子島に移住してからもなかったんじゃないだろうか。いや、なかったというより意図的に避けていた。時間を無駄にしてしまうのを怖れて…。ただ、種子島でこんな風になにもしない日を作ろうとは思わない。今は船旅ならではの時間の流れが、この空気をつくりだしているわけだから。

結局明け方、奄美大島につくまでそんな感じで過ごした。何度か眠ろうとしたけど、大部屋なので人が多く、落ち着かなくて全然眠れなかった。朝焼けがチョ〜綺麗だった。
奄美でかなりの人がおりたので、そのあとなんとか3時間くらい寝ることができた。

喫煙所で毎回会う夫婦とちょっと喋った。「チャキチャキの江戸っ子」って感じの二人で、しゃべるしゃべる。キャンピングカーで日本中を旅しているらしく、沖縄で半年過ごして旅は最後にするらしい。死ぬ前にスキューバダイビングをしときたかったんだ、とはりきっていた。すごく仲も良くてうらやましい。

船は徳之島、沖永良部島、与論島と、すごろくのように進んで行く。どこも海がめちゃくちゃ綺麗だ。…まあ種子島も負けてないけどね。

ダラダラと読み進めていた文藝春秋も残り数ページってところで本部(もとぶ)に到着。ここで船の旅は終わり。

ここからはすごろくのようにルートは決められていない。自由に行きたい方へ行く。

船を降りて、港から出るとさっそく左右に道が分かれる。さあ、どっちへ行こう、右か、左か…。


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